1人抄読部 兼 読書部

生命科学系の論文のサマリーを読んでいきます。また時々趣味の読書の感想も書いていきます。

【読書感想】自負と偏見

ジェイン・オースティンの作品で、イギリス文学の傑作とされています。先日、こちらをテーマにした読書会に参加してきました。タイトルは「高慢と偏見」「プライドと偏見」などとも訳されています。

 

以前に一度挫折した図書で、読書会の課題となっていることを知り、これを機に再読を決意し参加してきました。

 

5人姉妹の次女である主人公エリザベスが、貴族の中でも上流階級の男性ダーシーとの恋愛模様が中心であり、読書会に出席されるような文学好きの方が好むような哲学、政治、宗教的価値のある崇高な作品というよりは、ラブコメに近い内容であり、人によっては期待外れだった、思った以上に下世話な話だったという意見も散見されました。

 

個人的には、以前に挫折した前半は特にこれといった事件も起こらず、冗長な印象を受けましたが、物語中盤からは話の展開が一気にスピードアップし楽しめました。なんやかんやありつつも最終的には女子が夢見るような展開で幕を閉じるといった作品であり、おそらく当時の少女漫画や月9ドラマ的な位置づけで大ヒットしたのではないかなと思います。なので、そういった展開が苦手な方(特に男性)にはあまり響かなそうな内容なのかな、といった印象を受けましたが、男性でも絶賛している参加者の方もいました。200年前に書かれたものながら、現代でこれを漫画化・ドラマ化しても受け入れられそうな内容であり、そのあたりが名作とされているゆえんなのかと個人的には思いました。

 

課題図書ありの読書会は初参加でしたが、想像以上に議論が白熱しており、あまり入る余地がないくらいでしたが、いろんな方の意見を聞けるのはとても面白かったです。