1人抄読部 兼 読書部

生命科学系の論文のサマリーを読んでいきます。また時々趣味の読書の感想も書いていきます。

Genetic Inactivation of CD33 in Hematopoietic Stem Cells to Enable CAR T Cell Immunotherapy for Acute Myeloid Leukemia.

 2018 May 31;173(6):1439-1453.e19. doi: 10.1016/j.cell.2018.05.013. Epub 2018 May 31.

Genetic Inactivation of CD33 in Hematopoietic Stem Cells to Enable CAR T Cell Immunotherapy for Acute Myeloid Leukemia.

 
癌制限表面化―カーの欠損は、chimeric antigen receptor (CAR)T細胞を用いた抗原特異的免疫療法普及の大きな障壁である。例えば、急性骨髄性白血病において標準的骨髄マーカーであるCD33を標的とすると、正常骨髄細胞の破壊からくる細胞毒性が問題となる。我々は、正常造血幹細胞または造血前駆細胞からCD33を消去することによって白血病特異的抗原を作り出し、CD-33標的治療に耐性を持った造血システムを生成しすることで、AMLに対するCAR Tを用いた特異的治療を可能となるという仮説を立てた。我々はCD33欠損ヒト造血前駆細胞を作成し、免疫欠損マウスにおける正常な生着・分化を呈することを証明した。Autologous CD33ノックアウト造血前駆細胞移植は、アカゲザルにおいて正常骨髄機能を有する遺伝子編集細胞の長期多系統生着が可能であることを示した。CD33欠損細胞は、骨髄抑制を伴うことなく効率的に白血病細胞を除去できるCD33標的CAR T細胞を可能にする。これらの研究は、遺伝子操作によってホストの細胞毒性を回避しオンターゲットな抗原特異的免疫療法が可能であることを示唆している。