・過去の疾患モデルマウス作成
ES細胞を用いた方法があったが、半年から1年かかり、また発現率が低いなどの問題があった
・CRISPR/Cas9システム
ガイドRNAが特定のDNA配列に結合、Cas9タンパク質がそこに呼び寄せられ、ゲノムDNAを切断する(2本鎖を切断する機能がある)
遺伝子を挿入したい場合は、ゲノム修復の際に挿入される
→これで遺伝子の編集が可能
<受精卵へのインジェクション>
倒立顕微鏡を用いてマイクロインジェクションが可能
<CRSPRシステムのすごさ!CRISPR/Cas9による
アルビノC57BL/6Jマウス作成>
黒系マウスの
メラニン分泌を規定する部位を特定するガイド
RNAを作成し受精卵にインジェクションした
インジェクション後26日後にマウスが出生
→6匹マウス出生、2匹は完全
アルビノ、2匹はモザイク
成体マウスになっても
アルビノを維持、次世代にも継承される。
→非常に早く高率で遺伝子編集可能!
<実際の応用方法>
①遺伝子を欠損させる
②人への応用
p53変異による先天性骨髄不全症候群のモデル人iPS細胞作製
例えばある特定の疾患の
ゲノム解析をしたところ、ある遺伝子の変異が見つかった。
→本当にこれが原因か?
これまでは、実際の臨床症例をある程度集めて解析しなければならなかった
(そうでなければ本当にその遺伝子変異が疾患の原因かどうかわからない)
→しかしCRSPRシステムを使えば…
疑わしい遺伝子をマウスに発現させ、その疾患が誘発されるか調べることができる
臨床症例は1例でもOK!(原因となる遺伝子が推定できればOK!)
例えば…
(患者は糸球体足突起障害による
ネフローゼとともに外転神経障害も来たす)
→当初2人の患者を集め論文提出したが、症例が足りないとReviwerより指摘あり
症例を追加するか、細胞によって上記を証明するか?
→これをCRSPRシステムで疾患モデルマウスを作製し論文提出
→Accept!!
他の応用例…
・遺伝子(タンパク質)にTagを付ける。
→抗体をつくるのは大変…
・Conditional KO
例えばTamoxifenを投与したときのみ目的遺伝子がノックアウトされるなど。
問題点もある