Long-term ex vivo haematopoietic-stem-cell expansion allows nonconditioned transplantation
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Long-term ex vivo haematopoietic-stem-cell expansion allows nonconditioned transplantation
Nature (2019)
多分化能と自己複製能を有する造血幹細胞(HSC)は、白血病や免疫不全などの多様な疾患の根治治療として、移植を行われた際に、成人の造血機能を再構築することができる。In vivoにおける骨髄造血幹細胞の微小環境やnicheの特徴を分析することを通し、HSCを維持する因子を同定する様々な努力が行われてきたが、未だEx vivoにおける安定的なHSCの増殖は困難であった。ここで、我々は、マウスの機能的HSCを長期にEx vivoで増殖させるアルブミンを含まない培養システムを開発したことを報告する。我々は体系的に最適化されたアプローチを用い、高レベルのトロンボポエチンが低レベルの幹細胞因子とフィブロネクチンと相乗的に作用し、HSCの自己複製能を維持することができることを発見した。血清中のアルブミンは、HSC培養の重要な生物学的構成物質源と長い間考えられてきた。我々は、血清アルブミンよりも機能的に優れた代用としてポリビニルアルコールを同定した。これは、製造法が確立しており安定供給でいるという利点もある。クローン由来培養分析ではEx vivoにおけるHSCの自己複製能におけるかなりの不均一性があることが示唆されはするが、この条件下では、機能的HSCは1か月間で236-899倍にもなる。このシステムを利用すれば、わずか50個の細胞から得られたHSCを培養するこおで、放射線照射といった毒性の高い前処置を行うことなく、レシピエントマウスにHSCを生着させことが可能となる。これらの所見は、したがって、HSCに関する基礎研究においても臨床血液学においても非常に重要な発見である。