【読書感想】心に折り合いをつけてうまいことやる習慣
本屋で平積みになっていたのを見て気になったので、手に取り読了。
89歳現役精神科医である女医・中村恒子先生の自叙伝的な内容。戦争の混乱のさなかに何とか医学校を卒業し、石となった作者のエピソードやメッセージが詰まっています。
私は本屋さんで購入しましたが、図書館では数か月待ちの人気本だそうです。
もやもや、くよくよと悩んでいることに対し、長年精神科医として多くの患者さんを診てきた経験から、あるいは非常に過酷な時代を自身の力で生き抜いてきた経験から、スカッとするような一言を放ってくれます。
「空襲におびえないで毎日過ごせるだけで十分」「好きな人と並んで歩けるだけで十分」といったセリフの数々には、モノや情報にあふれる社会の中で自分は身の丈に合わないものを望みすぎていたと気づかされる思いです。
筆者の自然体であたたかな人柄は、多くの人たちを勇気づけることと思います。
人生に悩んでいる人にはヒントになるかも…逆に既に自尊心が確立していて人と比べることなく自立した人生を歩んでいる人には、いまさらと思うことばかりかもしれませんが…
人に心に響く言葉は違うかと思いますが、帯にも書かれている「幸せかどうかなんて気にしない方が幸せ」という言葉は中でも特に印象的でした。