1人抄読部 兼 読書部

生命科学系の論文のサマリーを読んでいきます。また時々趣味の読書の感想も書いていきます。

Rantes/Ccl5 influences hematopoietic stem cell subtypes and causes myeloid skewing

Rantes/Ccl5 influences hematopoietic stem cell subtypes and causes myeloid skewing

Aysegul V. ErgenNathan C. Boles and Margaret A. Goodell
造血幹細胞(HSC)加齢に伴い劇的な変化を見せる。再構築機能の喪失を伴うHSC絶対数の増加や骨髄系細胞産生へと分化割合が変化していくことなどがマウスHSCの加齢の主な指標となっている。今回我々は、マウスの彼骨髄環境において炎症性サイトカインであるRantesが高レベルに観察されたことを示す。レトロウイルスを利用し、骨髄前駆細胞にRantesを強制発現させることにより、T細胞産生低下につながり、ex vivoでHSCをRantesに短時間曝露させると、骨髄前駆細胞の増加とT細胞分化の減少につながることが観察された。対照的に、Rantesノックアウト動物は、myeloid-biased HSCsと骨髄前駆細胞の減少、またT細胞とlymphoid-biased HSCsの増加が確認できた。ノックアウトHSCは、そのサブタイプ割合を移植後も維持し、より多くのlymphoid-biased HSCs産生を示した。また、Rantes欠損は、KSL細胞におけるmammalian target of rapamycin (mTOR)活性低下を招くことが分かった。ヘテロクロニックな移植環境下では、加齢マウスのHSCが若いマウスに移植された場合、骨髄系細胞の産生は減少する子tが分かった。これらのデータから、年齢に依存した骨髄系細胞分化傾向に関して、環境因子における重要な役割をCCL5が果たしていることを示している。これは加齢によって生じる免疫不全にも関与しているかもしれない。