1人抄読部 兼 読書部

生命科学系の論文のサマリーを読んでいきます。また時々趣味の読書の感想も書いていきます。

読書

【読書感想】コンビニ人間

読書会の課題図書であったため読了。引き込まれる内容であり、ページ数も少なかったことからあっという間に読み終わりました。 「普通」とは何か、というのが大きな一つのテーマとなっているようだが、多様性多様性といいつつも実は見えない同調圧力にまみれ…

Insulin Receptor Associates with Promoters Genome-wide and Regulates Gene Expression.

Cell. 2019 Apr 18;177(3):722-736.e22. doi: 10.1016/j.cell.2019.02.030. Epub 2019 Apr 4. Insulin Receptor Associates with Promoters Genome-wide and Regulates Gene Expression. Hancock ML1, Meyer RC1, Mistry M2, Khetani RS2, Wagschal A3, Shin…

【読書感想】雪国

言わずと知れた川端康成の小説ですが、いまさらながら読了… 日本語が大変美しく、歴史に名を残す文豪はこんなにも洗練されつくした日本語を物語の最初から最後までつづることができるのかと驚きを隠せない気持ちでした。 川端氏はノーベル文学賞を受賞してい…

【読書感想】心に折り合いをつけてうまいことやる習慣

本屋で平積みになっていたのを見て気になったので、手に取り読了。 89歳現役精神科医である女医・中村恒子先生の自叙伝的な内容。戦争の混乱のさなかに何とか医学校を卒業し、石となった作者のエピソードやメッセージが詰まっています。 私は本屋さんで購入…

【読書感想】ツバキ文具店

本屋さんで平積みになっていたのを見て読了。 鎌倉にある代書屋さんのお話。「代書屋」というと聞きなれないが、年賀状の宛名や、重要な手紙などを本人に代わって書く仕事のようです。離婚報告書や絶縁状など多岐亘っており、完成させた手紙が本文中に挿入さ…

【読書感想】ライ麦畑でつかまえて

先日参加した読書会の課題本であったため、読了しました。村上春樹訳が出た際に大変話題になり、その際に読もうと試みましたが挫折し、今回が再チャレンジでした。今回は昔ながらの野崎孝訳で読んでみました。 青春小説の傑作と言われていますが、個人的には…

【読書感想】ナミヤ雑貨店の奇蹟

少し前に映画化されていたのをきっかけに読了。鍵となる主人公を含む3人の青年と、過去と現在をつなぐ不思議な力のある雑貨店ポストを通じ、過去の人物と対話していくという話です。 各章で1人の相談者がクローズアップされ、その人の相談内容と人生の一部が…

【読書感想】紙の月

フリーテーマの読書会に参加した際に紹介されているのを聞いて、興味を持ち本を購入しました。ストーリーだけ端的に書くと、なんとなく満たされない普通の主婦が若い男に貢ぐため勤め先の銀行のお金に手を付け、ついには1億円を横領するという話。これだけ書…

【読書感想】夜は短し恋せよ乙女

森見登美彦に初挑戦しました。独特の言い回しや文体は読みづらく感じる人もひるかもしれないが、個人的には独創的かつ細やかな表現で、登場人物の心の機微に触れるような感覚を味わうことができ、非常に楽しむことができました。古風でノスタルジックであり…

【読書感想】羊と鋼の森

学校のピアノの調律に来た調律師の仕事ぶりを見て自身も調律師を目指す青年の話。方向性は少し異なるものの同じくピアノとクラシック音楽を題材としている「蜜蜂と遠雷」の方が、壮大さや音楽・演奏の文章表現にすぐれているように思い、その点からは若干物…

【読書感想】自負と偏見

ジェイン・オースティンの作品で、イギリス文学の傑作とされています。先日、こちらをテーマにした読書会に参加してきました。タイトルは「高慢と偏見」「プライドと偏見」などとも訳されています。 以前に一度挫折した図書で、読書会の課題となっていること…

【読書感想】聖の青春

幼いころから腎臓病を患い、幾度にも及ぶ入退院を繰り返しながらも、不断の努力で将棋の才能を磨き続け、将棋界の頂点・名人を目指した1人の棋士・村山聖の一生を描いたノンフィクション作品。 「自分には時間がない」と言い、時には病床に伏しながら将棋を…

【読書感想】しゃぼん玉

しゃぼん玉 乃南アサさんの小説です。2017年に映画が公開され、先に映画を見て興味を持ち読みました。 映画、小説ともにあらすじはほぼ同じで、特にこれといった大事件や予想外の展開、大どんでん返しといったものは特にありませんが、静かに進んでいくよう…