1人抄読部 兼 読書部

生命科学系の論文のサマリーを読んでいきます。また時々趣味の読書の感想も書いていきます。

【読書感想】夜は短し恋せよ乙女

 森見登美彦に初挑戦しました。独特の言い回しや文体は読みづらく感じる人もひるかもしれないが、個人的には独創的かつ細やかな表現で、登場人物の心の機微に触れるような感覚を味わうことができ、非常に楽しむことができました。古風でノスタルジックでありながらファンタジックな世界観は、京都という作品の舞台もマッチしており、面白いと思いました。いくつもの事件が起こる割に主人公の青年とヒロインとの恋模様の進み方は非常にゆっくりですが、それもまた作品の趣の一つでしょうか。また、第3章 学園祭に登場するパンツ総番長の恋が、サブエピソードながら運命的な結末であり印象深かったです。