Insulin Receptor Associates with Promoters Genome-wide and Regulates Gene Expression.
Insulin Receptor Associates with Promoters Genome-wide and Regulates Gene Expression.
Hancock ML1, Meyer RC1, Mistry M2, Khetani RS2, Wagschal A3, Shin T1, Ho Sui SJ2, Näär AM3, Flanagan JG4.
インスリン受容体シグナル伝達は、正常な代謝制御の中心的な役割を果たしており、こうの制御不全によって慢性疾患が起きる。インスリン受容体は、細胞膜でインスリンと結合し、細胞質キナーゼを介し迅速なシグナル伝達を行う。しかしインスリンの長期的な効果発現機序については未だ不明である。今回、我々は、核内でRNAポリメラーゼⅡを活性化、ゲノムワイドなプロモーターの顕著な濃縮にインスリン受容体が関与している可能性を提示する。標的となる遺伝子は、インスリン機能の一部である脂質代謝やタンパク質合成、またインスリンが関与する疾患である糖尿病、神経変性、癌などに関与している者と思われる。インスリン受容体結合はインスリンによって増加し、インスリン抵抗性疾患モデルでは障害されることが分かった。インスリン受容体によるプロモーター結合は、HCF-1と転写因子によって媒介され、HCF-1依存性のインスリンによる遺伝子制御経路の存在を明らかにした。これらの結果から、インスリン受容体が転写機構と相互作用を及ぼし、インスリンの生理的機能あるいはインスリン関連疾患におけるインスリンの効果発現に関与する遺伝子を制御する経路を決定づけることを示している。