Epigenetic Restoration of Fetal-like IGF1 Signaling Inhibits Leukemia Stem Cell Activity.
Cell Stem Cell. 2018 Nov 1;23(5):714-726.e7. doi: 10.1016/j.stem.2018.08.018. Epub 2018 Sep 27.
Epigenetic Restoration of Fetal-like IGF1 Signaling Inhibits Leukemia Stem Cell Activity.
Giambra V1, Gusscott S2, Gracias D2, Song R2, Lam SH2, Panelli P3, Tyshchenko K2, Jenkins CE2, Hoofd C2, Lorzadeh A4, Carles A4, Hirst M4, Eaves CJ2, Weng AP5.
急性白血病は、造血前駆細胞が発達過程の途中でトラップされてしまうことによっておこるアグレッシブな悪性腫瘍である。私たちはここで、組織コンパートメントから発生する白血病の生物学を変え得る、造血幹細胞あるいは造血前駆細胞の発達過程における変化について探求することとする。急性T細胞性白血病のモデルマウスを用いて解析を行ったところ、胎児の肝臓(FL)から発生する白血病と成人骨髄(BM)から発生する白血病は、その白血病幹細胞の活動性と大きく異なっており、FL白血病はBM白血病と比較して連続移植可能性が大きく劣ることが分かった。私たちは、この違いが、NOTCH-1で誘導されるオートクリンIGF1伝達によっておこることを証明した。これは、FL細胞では、活性化されているのに対してBM細胞では、EZH2依存性H3K27トリメチル化によって抑制されているものである。更に私たちは、このメカニズムは、ヒトの疾患においても有効であると考えており、IGF1伝達を発現させることで白血病幹細胞の活動性を効果的に抑えることができると考えている。これらの知見は、成体において休眠している胎児プログラムを再活性化するということが、ヒト悪性腫瘍に新たな治療アプローチとなる可能性を示している。