Depleting dietary valine permits nonmyeloablative mouse hematopoietic stem cell transplantation.
Depleting dietary valine permits nonmyeloablative mouse hematopoietic stem cell transplantation.
特定の骨髄微小環境(ニッチ)は、造血幹細胞(HSC)の自己複製能を制限している。造血幹細胞移植においてドナーHSCの生着が成功するためには、放射線照射による骨髄破壊か化学療法によってこのニッチを空にする必要がある。しかし骨髄破壊は、時に重篤な合併症を引き起こし、死に至ることもある。私たちは、今回、必須アミノ酸のひとつであるバリンがHSCの増殖と維持に不可欠であることを発見した。マウスとヒトのHSCいずれも、バリンが欠損した状態で培養したときには増殖しなかった。バリン制限食を摂取していたマウスは、HSC frequencyが1週間で大きく減少した。さらに、バリン制限食によってマウス骨髄ニッチは空になり、化学療法放射線による骨髄破壊を要することなく移植細胞の生着が可能であった。これらの所見は、HSC維持におけるバリンの重要な役割を示すとともにバリン制限食がHSC移植における医原性の合併症を減らす可能性を示唆している。