1人抄読部 兼 読書部

生命科学系の論文のサマリーを読んでいきます。また時々趣味の読書の感想も書いていきます。

ASXL1/EZH2 mutations promote clonal expansion of neoplastic HSC and impair erythropoiesis in PMF.

 2019 Jan;33(1):99-109. doi: 10.1038/s41375-018-0159-0. Epub 2018 Jun 15.

ASXL1/EZH2 mutations promote clonal expansion of neoplastic HSC and impair erythropoiesis in PMF.

 
原発性骨髄線維症(PMF)は骨髄の疾患であり、全ての骨髄系統細胞の異常な分化と骨髄ニッチの大きな破綻に特徴づけられる。PMFサンプルはうくつかの遺伝子変異を有しているが、これらの細胞起源、初期HSC分画から異常なクローン性骨髄増殖がどのように起こるかを制限する階層においては十分に知られていない。CD133+HSC及びPMF患者の前駆細胞から2000以上のコロニーを用いジェノタイピングを行い、悪性細胞分画内における複雑な遺伝的不均一性を同定した。特に注目すべきこととして、クロマチンレギュレーターのASXL1かつ/またはEZH2の遺伝子変異が、 JAK2-V617FとCALRの両方の遺伝子変異に先行して起こる最初の遺伝子変異として同定された。このため、PMF患者においてクローン性の骨髄造成がもたらされると考えらえられる。ASXL1/EZH2と両方の遺伝子変異を持つPMF患者から採取したHSCは、免疫不全マウスへの移植時にヒストン修飾因子変異のない患者と比較し明らかに高い生着率を示した。赤血球前駆細胞の細胞周期停止や成熟障害からわかるように、EZH2変異はPMF患者における異常な赤血球造血と関連している。これらのデータは、新生物幹細胞のヒストン転写後修飾因子の重要性を強調している。新生物幹細胞のクローン性の増殖によって
異常な骨髄造血とPMFにおける前白血病性クローン拡大を維持されていると考えられる。
 
 
このクローン性の造成によって異常な骨髄造血が起こり、PMFにおけつ前白血病状態を惹起させると考えられる。