1人抄読部 兼 読書部

生命科学系の論文のサマリーを読んでいきます。また時々趣味の読書の感想も書いていきます。

Defining Hematopoietic Stem and Progenitor Cell Turnover by Analysis of Histone 2B-GFP Dilution

. Author manuscript; available in PMC 2010 Jan 12.
 Defining Hematopoietic Stem  and Progenitor Cell Turnover by Analysis of Histone 2B-GFP Dilution 
 
造血幹細胞(HSC)はそれほど頻繁には分裂しないと考えられている。これは、細胞周期の短い細胞を標的としている細胞障害性への抵抗を示すためであり、ヌクレオチドアナログである5-bromodeoxyuridine (BrdU)などのラベルを保持することができる推定されてきた。しかし近年、BrdU保持はHSCに対し感度も特異性も低いことが分かってきた。今回我々は、Histone2B (H2B)-Green Fluorescent Protein (GFP)をマウスにおいて一過性に、トランスジェニックに発現させることで、より優れたHSC標識を可能にし、他のマーカーと組み合わせることによりHSCの細胞周期をより正確に分析することが可能であることを示す。非常に性格なHSCのマーカーの組み合わせであるL−K+S+CD48−CD150+を用い同定されたHSCにおいて、H2B-GFP減退の数学的モデルを使用することにより、HSCの増殖率は予想外な異質性を示し、また、HSCの約20%が1日につき0.8-1.8%以下という非常に低いターンオーバーをしていることが示唆された。また、単離したL−K+S+CD48−CD150+ HSCsを異なるH2B-GFPレベルごとに移植することで、高レベルのH2B-GFPラベル保持と長期再増殖能は挿管していることも示された。