Successful gene therapy in utero for lethal murine hypophosphatasia.
Successful gene therapy in utero for lethal murine hypophosphatasia.
Sugano H1, Matsumoto T, Miyake K, Watanabe A, Iijima O, Migita M, Narisawa S, Millán JL, Fukunaga Y, Shimada T.
低ホスファターゼ症(HPP)は、組織非特異的アルカリホスファターゼ(TNALP)をコードしているALPL遺伝子変異によって起こされる遺伝性全身性骨格疾患である。骨・歯牙の形成不全が特徴的である。臨床上の重症度は幅広く、致死的である周産期型から歯牙のみに症状が現れる比較的軽症の歯牙限局型までさまざまである。HPPモデルマウス(Akp2(-/-))はこの中でも重症新生児型を模倣しており、これは出生時は普通と変わらないように見えるが、成長不全や骨形成不全、てんかん発作などで生後2週間ほどで死亡する。今回の研究では、致死的なHPPマウスモデルを用い、胎児遺伝子治療の実現可能性について検討した。妊娠15日目に、HPPモデルマウス胎児は、骨型TNALPを発現させたAAV血清型9(AAV9)ウイルスを経子宮的に注射した。 治療後に出征したマウスは正常な体重増加傾向を示し、少なくとも8週間は痙攣発作を呈することなく経過した。14日齢時点で、骨を含めた全身臓器よりベクターシークエンス分析を行った。血漿中、骨中いずれにおいても高いALP活性が見られた。胸部・前肢のX線画像では骨形成増強が確認された。我々のデータはAAV9の子宮内全身投与が致死的HPPマウスの治療戦略として有効であることを示している。胎児遺伝子治療は出生以前の診断された致死的HPPの重要な治療選択肢となり得るであろう。