1人抄読部 兼 読書部

生命科学系の論文のサマリーを読んでいきます。また時々趣味の読書の感想も書いていきます。

Microenvironment determines lineage fate in a human model of MLL-AF9 leukemia.

 2008 Jun;13(6):483-95. doi: 10.1016/j.ccr.2008.04.020.

Microenvironment determines lineage fate in a human model of MLL-AF9 leukemia.

 
マウスにおけるMixed-lineage leukemia(混合系統白血病)の忠実なモデルを作り出すのは非常に難しい。私たちは、ヒトCD34+細胞のMLL-AF9の発現が、免疫不全マウスにおいて急白の骨髄性、リンパ節、混合性白血病発症を誘発することを発見した。白血病幹細胞(LSC)の中には、多能性を持っており、また成長因子かあるいはマウスレシピエント株を変更するかのいずれかで、直接的に系統指示を受け得るものが存在する。これは微小環境因子の重要性を示している。その他のLSCは、厳格に系統が決まっており、MLL病態における幹細胞分画の不均一性を示している。また、Rac伝達経路を遺伝的または薬理学的にターゲットとすることで、MLL-AF9細胞の迅速かつ特異的なアポトーシスを誘発できることが分かり、これはRac伝達経路がMLL転座を有するAMLの治療ターゲットになりうることを示している。